子育てにおいて周囲との関わりで、このように感じることはありませんか?

1. ママ友との付き合いにストレスを感じる

2. 親、義父母、親戚などからの干渉やアドバイスがつらい

3. PTA役員など、頼まれると断れず仕事を抱えてしまう

4. 先生などからの子どもに対する評価に一喜一憂してしまう

子どもを通じて親であるあなたも、新たな人間関係や社会的なつながりのなかに身を置くことが求められます。たとえあなたが社交的または外交的なHSPであったとしても、敏感で繊細、そして物事を深く受けとめるHSPは、このような社会的な関わりから多くの刺激を受けてしまうことでしょう。

対処ワンポイントアドバイス

「ママ友との付き合いにストレスを感じる」
大変多くのHSPな親が抱えるお悩みです。まず、主役は子どもであり、ママではないことを念頭に置きましょう。ママ友はいてもいいし、いなくてもいいのです。
はじめての子育てなのでママ友が欲しい、と考えるなら、できれば大きなグループに入ることは避け、二人または少人数で過ごせる環境が望ましいでしょう。人間関係から多くの刺激を受けないことがポイントです。
敏感なHSPは同じような気質をもつ人を見つけるのが得意かもしれません。そのような人が一人でいるのを見かけたら、勇気を出して声を掛けてみましょう。ママ友以上の関係を築いてゆけるかもしれません。
逆に、苦手な人にも敏感に反応してしまうあなたは、ネガティブな影響を受ける前にそのような人とはさりげなく距離を置くことをお勧めします。
気の合うママ友に出会えたとしても、疲れやすいことに変わりはないのがHSPです。お子さんを含めた楽しい集まりを計画する際には、翌日を休息日にする、お誘いのすべてにイエスと言わない、などの工夫が必要になるでしょう。

「親、義父母、親戚などからの干渉やアドバイスがつらい」
このように感じるのは、HSPが他者からの監視や評価に特に敏感であるという特徴によるものでしょう。
ありのままの自分を認めてもらえない幼少期を過ごした方は、アドバイスを批判や否定と感じてしまう傾向にあります。親や義父母のアドバイスを素直に受け取れず、自分の子育てをチェックされている、と考えてしまう方も少なくありません。
そのようなネガティブな感情にとらわれて辛くなったら、既にできているたくさんのことや頑張っている自分に目を向けてみましょう。
ありのままのお子さんを認めると同時に自分にも花丸を忘れずに。ありのままの自分を受け入れる心は、今からでも育てていくことができるのです。お子さんと一緒に成長できる今がチャンスです。

「PTA役員など、頼まれると断れず仕事を抱えてしまう」
場の雰囲気や他者を気遣い自分の仕事を増やしてしまうHSP。多くの仕事をこなし他者の役に立つことで自分の存在価値を確認しているのかもしれません。
他者に感謝されながら職務を全うする行為はHSPの自己肯定感を高め、必ずや自信につながっていきます。時間や体力に余裕があるならばチャレンジするのもよいかもしれません。
一方、断りたいのに断れない、そのような方もいるでしょう。断った時の相手の反応や、その後の自分に対する評価が気になっているのかもしれません。あなたのまわりにノーを言うのが上手な方はいませんか?もしいたら、その方の真似をしてみるのもよいでしょう。
また、アサーション(相手の立場や気持ちを尊重しながら、自分の考えや信念を的確に表現するコミュニケーションスキル)を学ぶことも有効でしょう。

「先生などからの子どもに対する評価に一喜一憂してしまう」
これは、自分と子どもとの境界線が薄く、すべて自分のことのように受け取ってしまうことから起きる感情です。
例えば、友達が少ないと知るとどうにかしなければならないとあれこれ考えはじめるでしょう。しかし、当の本人はそれほど気にしていないのかもしれません。また、宿題や忘れ物について指摘されると、あれこれ先回りして手や口を出すようになってしまうかもしれません。心配性なHSPはとても多いのです。
しかし、それらの問題のほとんどは、親が解決するべき問題ではありません。お子さんが自分の力で友達をつくる過程や、失敗から学ぶ大事な経験を奪ってしまうのは勿体ないことです。
子どもに対する評価は冷静に受け入れながらも子どもの課題に踏み込まない姿勢を保ちましょう。

~ストレスを軽減するために~
子どもも含めた新しい人間関係においては、「ラインの返事が来ない」「急に冷たくされた」「付き合いが多すぎて疲れる」などの日常のあらゆることがHSPには強いストレスとなります。
また、自己否定感を補うための、期待に応えようとする行動により心身の疲れを感じる場面も多いことでしょう。
子育てを通して、自分がされた子育てや幼い頃について考えはじめた方は、自分の幼少期をお子さんに重ね合わせてしまい、不安に襲われることもあるかもしれません。

「認知行動療法」は、偏りがちな考え方や行動を柔軟に変容させていく実践的な取り組みを伴う療法です。
物事を大局的にみる、視野を広げて考えることの重要性に気づくことができるでしょう。
同時に、その偏りがちな考えにいたった生育環境や過去のトラウマに向き合うことが、新たな自分を手に入れる一歩になることもあります。小さなころから胸の中にある「わだかまり」をカウンセラーに話すだけでも気持ちが軽くなるものです。

また、頭から離れないネガティブな考えや不安を素早く手放すスキルを得られる「マインドフルネス認知療法」は、心身のリラクゼーション効果も大きく、疲れをため込みやすいHSPに大変お勧めです。

HSPである、ないに関わらず、子育てには気苦労はつきものです。
ほかの人が気づかないような様々ことに気づいてしまい、それについて深く考え処理するHSPは、心配や不安を自ら深くしてしまう傾向にあります。

子育て中は、隙間時間にできるささやかな楽しみでこまめに自分を労わりましょう。

小さな観葉植物、心が落ち着くヒーリングミュージック、安らぎをもたらすアロマの香り、心身をじんわり温めてくれるハーブティなど、五感に働きかける癒しグッズは、生活に潤いをもたらしてくれるでしょう。