HSP傾向の方の職場で起こしがちな悩みとその対処のワンポイントアドバイスをご紹介します。
さて、職場でこの様なことで悩まれることはないでしょうか?
1. 上司や同僚とのコミュニケーションに一喜一憂してしまう
2. ミスを指摘されると非常に落ちこみ、仕事が手につかなくなる
3. ミスやつらい体験が頭から離れず、休日であっても気が休まらない
4. 一度にたくさんの仕事をかかえると混乱するのに、頼まれると断れない
5. 会議など、大勢の前で自分の意見が言えない
6. 飲み会やランチなど、勤務時間外の付き合いにストレスを感じる
7. 怒鳴り声、悪口、噂話を聞くのがつらく、自分に向けられているように感じてしまう
8. 不機嫌な人が近くにいると落ち着かない
9. エアコンやコピー機の音、蛍光灯の明るさ、香水や整髪料のきつい匂いなどが気になる
10. 隣や前の人の動きや気配が気になり落ち着かない
これらは、誰もが抱えるだろう職場での悩みのなかでも、HSPがその特性ゆえに抱えやすい悩みの代表的なものです。
HSPは、高感度のアンテナと繊細な神経の持ち主です。そして、他者の自分に対する評価や反応に敏感であるという特徴があることから、評価や成果が重視される仕事や、長時間にわたって他人と共に過ごさなければならない職場環境ではストレスを感じる場面が多くなる傾向があります。また、自分自身や、置かれた状況について深く掘り下げて考えすぎ、自ら悩みを深くしてしまうこともあるでしょう。
「対処ワンポイントアドバイス」
「上司や同僚とのコミュニケーションに一喜一憂してしまう」
「ミスを指摘されると非常に落ちこみ、仕事が手につかなくなる」
「ミスやつらい体験が頭から離れず、休日であっても気が休まらない」
これらは、自分を責める気持ち、自己否定の気持ちが強い状態です。
そんな時は、その状況をまるでテレビドラマを見るかのように、ゆったりと眺めてみましょう。あえて視野を広くし客観的にその状況を眺めてみたとき、たくさんの登場人物に気づくことができるでしょう。私達は、悩みの渦のなかにいる時、世界が相手と自分の二人だけになり、四面楚歌の状態と思い込みがちなのです。
「一度にたくさんの仕事をかかえると混乱するのに、頼まれると断れない」
「会議など、大勢の前で自分の意見が言えない」
「飲み会やランチなど、勤務時間外の付き合いにストレスを感じる」
これらは、他者の期待に応えなければならない、NOと言ってはならない、他者の気分を害してはいけない、など他人軸で生きる傾向にある方に多いお悩みです。自分に厳しく、多くの課題をこなすことで自分の価値を信じることができる方もいるでしょう。
しかし実際には、少し手を抜いても、誘いを何度か断っても、大半の人は自分を好いていてくれるものです。断ってみる、本音を言ってみる。小さなことからでいいのです。ありのままの自分が受け入れられる経験こそが、他人軸ではなく自分軸で生きることへの一歩です。
「怒鳴り声、悪口、噂話を聞くのがつらく、自分に向けられているように感じてしまう」
「不機嫌な人が近くにいると落ち着かない」
このような怒鳴る人、不機嫌な人は、晴れてほしいのに突然降ってきた「雨」だと思いましょう。どんなに止んでほしくても、魔法でも使えないかぎり雨を止めることはできません。わけもなく不機嫌な人の顔色をうかがうことに時間を費やすことは、止みそうにない雨をただただ眺めているのと同じことです。
また、繊細で優しいHSPは、悪口や噂話が苦手です。そのような場からはそっと離れることが望ましいですが、それが難しい場合は、「悪口・噂話」を「感想」と変換しさらっと受け流しましょう。
「エアコンやコピー機の音、蛍光灯の明るさ、香水や整髪料のきつい匂いなどが気になる」
「隣や前の人の動きや気配が気になり落ち着かない」
このような場合、耳栓、かすかに色のついた眼鏡、マスクなどが効果的です。隣席との間に仕切りがなく落ち着かない場合は、境界に定規、ペンケースなどをさりげなく置くことで効果が得られることがあります。また、コロナ禍のテレワークなど自分のペースで仕事ができ、他者に煩わされない働き方を積極的に取り入れることもよいでしょう。
~ココロを楽に、ストレスを抱えないために~
HSPは他者の気持ちを汲み取るため、自分のつらい気持ちに蓋をしがちです。そのような方がつらさを貯め込まないために、体験を書いて吐き出す方法も効果的です。忘れたい体験であれば、書いたものを破って捨ててみてもよいかもしれません。また、書くことでスッキリするという効果以外にも、書いたものを冷静に眺めてみることで得られる別の効果があります。それは、自分がどんな場面でストレスを感じやすいのか、そのときどんなことを考えているのか、つらさの原因は何なのか、悩みのなかにいるのではないもう一人の自分の視点で状況を把握できるということです。
「認知行動療法」によるカウンセリングでは、丁寧に体験を振り返ることにより「あの人は自分のために言ってくれていたのかもしれない…」「上司は、自分が意見を言うのを待っているのかもしれない…」「もっとありのままの自分を出してもいいのかもしれない…」このような新たな視点からの考え方ができるようになっていきます。そしてそう考えたときに気分がどう変化するのかを検証し、気分が改善しそうな考え方を積極的に自分の中に取り入れていくことで、ネガティブな感情に溺れることなく、悩みに上手に対処していけるようになります。
「認知行動療法」では、出来事から心のつぶやきを見つけ出していくことから始めます。そのときどんなことが頭に浮かんだか、例えば「私はきっと嫌われているにちがいない…」「このプレゼンに失敗したらみんなに失望される…」そんな心のつぶやきをキャッチできると、自分の考え方にくせや捉われ、思いこみがないかどうかを検証することができます。
しかし、そのような瞬間に浮かぶ心のつぶやきをキャッチすることは簡単なようで案外難しいものですが、カウンセリングに「マインドフルネス認知行動療法」を取り入れると、心のつぶやきのキャッチのトレーニング効果を得ることができます。
なんだかいつも衝突してしまう上司やなぜかうまくいかない同僚など、特定の人との関係にお悩みの方にはSP(サブパーソナリティ)トランプを用いたカウンセリングをお勧めします。自分を知り、相手を知ることで、接し方を少し変えてみる工夫ができることでしょう。
悩みのない人生、ストレスのない世界に生きることは難しいのが現実です。しかし、気分が晴れる、発散できる、いざという時に自分を助けてくれる人やコトやモノを持っている人は落ち込みからの回復が早いものです。
学生時代からの親友、家族、カラオケ、旅行、神社巡り、マラソン、好きな香り、大切なぬいぐるみ、お気に入りの絵、好きな食べ物など…自分だけの効果的な気分転換の方法をリストアップしてみましょう。そしてつらくなった時、そのリストの中にピンとくるものがあったなら是非試してみてください。それらはきっとあなたを助けてくれることでしょう。